あとがき
読者の皆様、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
『俺のラブコメはこんなはずじゃなかった』、いかがでしたでしょうか。
タイトルから察せられる通り、この物語は「ゲームオタクの主人公が現実の恋愛に奮闘する」という、ある意味ベタな設定から始まりました。
しかし、書いているうちに気づいたことがあります。
それは、「普通の恋愛こそが、最高のラブコメである」ということです。
悠真と美月の関係は、特別なものではありません。
幼馴染が恋人になる。
よくある話です。
でも、だからこそリアルで、共感できる部分があったのではないでしょうか。
現実の恋愛に「選択肢」は表示されません。
「セーブ&ロード」もできません。
「攻略法」なんてものも存在しません。
あるのは、不確実で、不器用で、でも確かな想いだけ。
それでも——いや、だからこそ、現実の恋愛は美しいのだと思います。
この物語を通じて、私が伝えたかったこと。
それは、「ゲームも楽しいけど、現実はもっと素晴らしい」ということです。
バーチャルな世界に逃避するのではなく、リアルな世界で誰かと向き合うこと。
それが、本当の意味での「攻略」なのかもしれません。
悠真と美月の物語は、ここで一旦の区切りを迎えました。
でも、彼らの日常はこれからも続いていきます。
結婚して、子供ができて、年を取って——
そんな「その後」を想像するのも、楽しいかもしれませんね。
最後に、この物語に登場したキャラクターたちについて。
琴音も、佐藤さんも、みんなそれぞれの幸せを見つけました。
現実には「ルート分岐」なんてないけれど、誰もが主人公として自分の物語を紡いでいける。
そう信じています。
もしかしたら、あなたも今、自分だけのラブコメの真っ最中かもしれません。
それがどんな形であれ、大切にしてください。
現実の恋愛に、正解なんてありません。
あなたが選んだ道が、あなたにとっての「トゥルーエンド」なのです。
長い物語にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
いつか、どこかで、また別の物語でお会いできることを楽しみにしています。
それでは、またお会いしましょう。
2025年 春 著者より