コンテンツにスキップ

Ω分岐の書庫

The Codex of Branches

作品について

「もし全ての可能性を知る存在がいたとしたら、私たちの選択に意味はあるのか」

本作は、量子論的多世界解釈と神学的思索を融合させた哲学的SF小説です。全ての選択の分岐を記録する謎の構造体「Ωライブラリ」を舞台に、自由意志の本質と神の責任を問う物語が展開されます。

あらすじ

西暦2347年。人類は地下深くに「全分岐世界記録装置(オメガ・ライブラリ)」を発見する。それは、あらゆる選択の可能性から分岐した全宇宙の記録を保持する構造体であり、そこに存在する観測者=「Ω(オメガ)」は、過去も未来も、すべての人間がどんな選択を"し得たか"を知っている存在だった。

主人公・ユーリ=セリグは、Ωライブラリの管理者として招聘される。彼女はある分岐世界の中で、人類が「全能存在=神」に対して「原罪の逆訴訟」を起こす裁判を準備している事実を発見する。

罪を犯したのは私たちか?それとも、罪を「犯させた」のは神か?

彼女は全分岐世界を横断しながら、自分自身の意志、存在、そして神性の意味を問う旅に出る。

章立て

プロローグ

謎めいた招聘状から始まる、新たな観測者の物語

第1章:観測者の資格

地下14層への降下、そして初めて目にする無限の分岐

第2章:断罪される神

異世界で開かれる前代未聞の裁判—被告席には神が座る

第3章:自由意志の彼岸

千の私、千の選択、そして発見される恐るべき収束

第4章:神の最終弁明

全知なる存在との対話、そして明かされる選択の偏り

最終章:選ぶもの/選ばれるもの

再選択の時—罪を自覚することの意味とは

エピローグ

永遠の問いかけ

付録

作者より

本作は、現代物理学の多世界解釈と古典的な神学論争を組み合わせ、「自由意志」という人類永遠のテーマに新たな視点から挑戦する試みです。エンターテインメントとしての読みやすさを保ちながら、読者の皆様に深い哲学的考察を促す作品となることを目指しています。


© 2024 - All rights reserved