くりかえしの記号

よみもの+手を動かす時間:およそ20分

「12月」を取り返す

前のレッスンの積み残しを片づけます。[0-9]月 は「12月」をつかまえられず、「2月」で手を打つのでした。原因は [0-9]1文字にしか当てはまらないこと——「数字が1個以上つづく」と言えれば、解決するはずです。

そのための記号が +(プラス)です。+ は、直前のものを1回以上くりかえしてよいという指示です。

当てはまった場所 — 2か所
3月のつぎは12月でした

「3月」と、今度こそ「12月」が丸ごと塗られました。[0-9]+ は「3」にも「12」にも——なんなら「2026」にも——当てはまるからです。

長さの決まっていないことば

スポーツ実況の「ゴーーーール」を思い出してください。伸ばし棒が何本になるかは、その日の興奮しだいで決まっていません。それでもあなたは、どれを聞いても同じことばだと分かります——長さは決まっていないのに、かたちは決まっているからです。

+ は、この「好きなだけ伸びてよい」を書き下すための記号です。

当てはまった場所 — 3か所
ゴールゴーールゴーーーール

ゴー+ル は「ゴ、『ー』が1個以上、ル」というかたちです。伸ばし棒が1本でも3本でも、3つとも塗られます。

0回もゆるす——*

+ には兄弟がいます。*(アスタリスク)は、直前のものを0回以上くりかえしてよい——つまり1回もなくてもいいという指示です。

当てはまった場所 — 3か所
ゴルゴールゴーーーール

伸ばし棒のない「ゴル」まで塗られました。もようを ゴー+ル に書きかえると、「ゴル」だけが外れます。ちがいはこの1点だけ——0回をゆるすかどうかです。

よりみち:記号がひとりぼっちのとき

実験室で、もように * の1文字だけを打ってみてください。「くりかえす相手がいません」と断られます。+*? も、直前のなにかを頼りに働く記号なので、相手がいないと仕事になりません。

あってもなくてもいい——?

くりかえしの記号、最後のひとりは ?(クエスチョン)です。意味は、直前のものがあってもなくてもいい(0回か1回)。「0回以上」の * を、1回までで打ち止めにしたものと言えます。

出番が多いのは、書き方のゆれです。「コンピュータ」と「コンピューター」——最後の伸ばし棒は、書く人によってあったりなかったりします。

当てはまった場所 — 2か所
コンピュータは、コンピューターとも書きます

コンピューター? は、最後の「ー」を「あってもなくてもいい」と宣言しています。だから、どちらの書き方も一度の検索で塗られます。

欲ばりな読み手

ひとつ、確かめておきたいことがあります。あ+ああああ をさがすと、何か所塗られるでしょうか。

当てはまった場所 — 1か所
ああああ

答えは1か所——4文字ぜんぶが、ひとつながりに塗られます。「ああ」と「ああ」の2か所に分けることもできたはずなのに、そうはなりません。読み手は欲ばりに、その場所から取れるいちばん長いものを取るからです。

この欲ばりは、最初の実験でも働いていました。[0-9]+月 が「12月」の「1」に出会ったとき、読み手は数字を取れるだけ——「12」まで——取ってから「月」を確かめたのです。検索のきまりをまとめると、「左から、重ならず、それぞれの場所でいちばん長く」になります。

演習:金額をしぼる

本文を 5円と50円と500円と5000円 にして、2桁以上の金額——「50円」「500円」「5000円」——だけを塗るもようを考えてください。

  1. まず [0-9]+円 で試す。4つぜんぶ塗られるはず
  2. では「1個以上」ではなく「2個以上」と言うには?
ヒント1(考え方)

+ に「2回以上で」と頼む書き方は、まだ持っていません。でも、もようにはどんな部品もいくつでも並べられます。「かならず1個」と「1個以上」を、並べてみてください。

こたえ

[0-9][0-9]+円 です。前半の [0-9] が「かならず1個」を、後半の [0-9]+ が「さらに1個以上」を引き受けて、合わせて「数字が2個以上」になります。くりかえしの記号のついた部品も、ふつうの文字と同じように、ほかの部品と自由に並べられるのです。

このレッスンで分かったこと

  • + は直前のものの1回以上のくりかえし。[0-9]+月 で「12月」が取れた
  • *0回以上——1回もなくてもいい。ただし単独で使うと「どこにでも当てはまる」
  • ?0回か1回——あってもなくてもいい。書き方のゆれをまとめてさがせる
  • くりかえしの記号が効くのは、直前のひとつだけ
  • 読み手は欲ばり——左から、重ならず、それぞれの場所でいちばん長く取る